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【CSVP】過去話的な何か
ようやくカテゴリーにCSつくったわー
追記からとある吸血鬼さんとハーフの過去話です。
「私、好きな人が出来たの」
そういって笑う友人の顔は本当に綺麗だった。
だから、相手が人間だと聞いたときは本当に驚いたし、反対した。
吸血鬼と人間の恋なんて、不幸になるだけだと。
友人は、必死に怒鳴る私に言うのだ。
それでも彼を愛してるのだと。
不幸になんてならないと。
とても真剣な瞳で、じっと此方を見据えて。
私は彼女が本気だと分かった。
だから心から祝福して応援した。
彼女たちが人と同胞から隠れてくらせるような場所を一緒に探したり、反対する同胞を宥めたり。
彼女は大切な友人だったから。
幸せそうなその顔を見るのがとても嬉しかった。
神には決して誓うことの出来ない愛だからと、彼女は笑いながら私に誓ったのだ。
きっと幸せになってみせると。
旦那は優しい男で、ちょっと頼りにならなさそうだったけど、
二人寄り添う姿はほんとに幸せそうだった。
子供が出来たと聞いたときは真っ先にお祝いにいって、ハーフのあれこれを教えた。
旦那は凄く真剣な顔をして色々メモをとって大変そうだったけど、
彼女は「考えすぎよ」と明るく笑う。
「何かあったら、この子をお願いします」
なんて二人して真面目にいうものだから思わず笑ってしまって怒られて、また笑って。
「笑った顔が妻そっくりなんだ」
と、旦那がでれでれとしているのをみながら、彼女も子供も幸せそうにわらっていた。
三人ともそっくりよ。と笑って返した私も幸せだった。
本当に幸せだった。彼女達と共にいるのは。
人間と吸血鬼の差なんて感じないくらい、本当に満ち足りた時間だった。
けれど、そんな幸せも長く続かなかった。
私が知らせを聞いて駆けつけたときには、もうハンターたちが彼女を殺した後だった。
焼け落ちた家にはもう幸せの面影はなく、ただ焦げた匂いを撒き散らしていた。
子供はハンターに保護されたと噂に聞いた。
ハーフの子が、人に育てられる不幸を私は知っている。
だから、少ない手がかりを拾い集め必死に探した。
どんな手段を使っても、あの子を私の元にと。
そうしてやっと見つけたあの子は、人の偏見にさらされ笑わなくなっていた。
ただ暗い目をして、こちらを見据えていた。
彼女によく似た綺麗な赤の目は濁り、ただ憎しみだけを灯して。
そして、幸せな記憶を全て忘れていた。
母親の笑顔も、父親の優しさも…私のことも。
「ぼくは、きゅうけつきがきらい」
あぁ、違う。貴方は勘違いしてるの。
「だって、僕のかあさんは」
違う違う違う。貴方のお母さんは、私の大切な友人は。
「僕の父親を殺したのですから」
絶対にそんなことはしない。
だって私に誓ったもの。絶対幸せになると。
ハンターになった貴方に銃を向けられた時、私がどれだけ悲しかったか。
どれだけ貴方を抱きしめて、泣き出したかったか。
きっと貴方は分からないのでしょう。
私の言葉は、貴方には全て嘘にしか聞こえなくて、届かなくて。
彼女にそっくりのその姿で、彼女を否定する台詞を吐く姿を、
ハンターになって同胞を狩るその姿を、私は見たくなかった。
お願いだから、話を聞いて欲しかった。
何度目かの邂逅の時、彼は少しだけ幸せそうに笑ったのだ。
最高の友達がいるから。と彼女と同じ瞳で。
けれど、私はもうその笑顔を瞳を信じられないの。
人と吸血鬼はけっして幸せにはなれないの。
だから、だから私は。
何度でも何度でも貴方を此方へ誘う。
たとえ、それが貴方を悲しませることになろうとも。
それが貴方の幸せを奪うことになろうとも。
友人との約束を守るために。
そして、昔の私と同じ思いをさせないために。
end
追記からとある吸血鬼さんとハーフの過去話です。
「私、好きな人が出来たの」
そういって笑う友人の顔は本当に綺麗だった。
だから、相手が人間だと聞いたときは本当に驚いたし、反対した。
吸血鬼と人間の恋なんて、不幸になるだけだと。
友人は、必死に怒鳴る私に言うのだ。
それでも彼を愛してるのだと。
不幸になんてならないと。
とても真剣な瞳で、じっと此方を見据えて。
私は彼女が本気だと分かった。
だから心から祝福して応援した。
彼女たちが人と同胞から隠れてくらせるような場所を一緒に探したり、反対する同胞を宥めたり。
彼女は大切な友人だったから。
幸せそうなその顔を見るのがとても嬉しかった。
神には決して誓うことの出来ない愛だからと、彼女は笑いながら私に誓ったのだ。
きっと幸せになってみせると。
旦那は優しい男で、ちょっと頼りにならなさそうだったけど、
二人寄り添う姿はほんとに幸せそうだった。
子供が出来たと聞いたときは真っ先にお祝いにいって、ハーフのあれこれを教えた。
旦那は凄く真剣な顔をして色々メモをとって大変そうだったけど、
彼女は「考えすぎよ」と明るく笑う。
「何かあったら、この子をお願いします」
なんて二人して真面目にいうものだから思わず笑ってしまって怒られて、また笑って。
「笑った顔が妻そっくりなんだ」
と、旦那がでれでれとしているのをみながら、彼女も子供も幸せそうにわらっていた。
三人ともそっくりよ。と笑って返した私も幸せだった。
本当に幸せだった。彼女達と共にいるのは。
人間と吸血鬼の差なんて感じないくらい、本当に満ち足りた時間だった。
けれど、そんな幸せも長く続かなかった。
私が知らせを聞いて駆けつけたときには、もうハンターたちが彼女を殺した後だった。
焼け落ちた家にはもう幸せの面影はなく、ただ焦げた匂いを撒き散らしていた。
子供はハンターに保護されたと噂に聞いた。
ハーフの子が、人に育てられる不幸を私は知っている。
だから、少ない手がかりを拾い集め必死に探した。
どんな手段を使っても、あの子を私の元にと。
そうしてやっと見つけたあの子は、人の偏見にさらされ笑わなくなっていた。
ただ暗い目をして、こちらを見据えていた。
彼女によく似た綺麗な赤の目は濁り、ただ憎しみだけを灯して。
そして、幸せな記憶を全て忘れていた。
母親の笑顔も、父親の優しさも…私のことも。
「ぼくは、きゅうけつきがきらい」
あぁ、違う。貴方は勘違いしてるの。
「だって、僕のかあさんは」
違う違う違う。貴方のお母さんは、私の大切な友人は。
「僕の父親を殺したのですから」
絶対にそんなことはしない。
だって私に誓ったもの。絶対幸せになると。
ハンターになった貴方に銃を向けられた時、私がどれだけ悲しかったか。
どれだけ貴方を抱きしめて、泣き出したかったか。
きっと貴方は分からないのでしょう。
私の言葉は、貴方には全て嘘にしか聞こえなくて、届かなくて。
彼女にそっくりのその姿で、彼女を否定する台詞を吐く姿を、
ハンターになって同胞を狩るその姿を、私は見たくなかった。
お願いだから、話を聞いて欲しかった。
何度目かの邂逅の時、彼は少しだけ幸せそうに笑ったのだ。
最高の友達がいるから。と彼女と同じ瞳で。
けれど、私はもうその笑顔を瞳を信じられないの。
人と吸血鬼はけっして幸せにはなれないの。
だから、だから私は。
何度でも何度でも貴方を此方へ誘う。
たとえ、それが貴方を悲しませることになろうとも。
それが貴方の幸せを奪うことになろうとも。
友人との約束を守るために。
そして、昔の私と同じ思いをさせないために。
end
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