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2010
02/05
(Fri)
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夢題 1
恋人の白い首筋に残る青黒い痣を、私はじっと見つめていた。
十本の線にも見えるそれはどこか影絵にも似ている。
幼いころ、二人でよく遊んだ影絵。
蝶々、蟹、兎。
ふいに思い出し、懐かしさに笑みがこぼれる。
だらしなく赤い舌を出している口や、見開かれた瞳をそっと閉じてやる。
体を清め、衣服を整え、布団に寝かせた。
枕元に座り、長い黒髪に指を通して弄ぶ。
さらさらと零れ落ちていくそれはとても美しく、愛おしかった。
ふいに扉の開く音がし、聞きなれた声がした。
声の主は部屋に入りこちらを一瞥した後、布団の上の恋人へと目を向けた。
ひゅうと空気の吸い込まれる音がした。
彼は、恋人の弟だ。
彼は、布団へ駆け寄ると恋人の名を呼びながら嗚咽を零す。
私はただただそれを見ながら笑うでもなく、泣くでもなく座っていた。
ふいに恋人の弟はこちらに掴みかかってきた。
この人殺し!
そう叫び、私を殴り倒す。
何度も何度も拳が振り下ろされ、私の意識は霞んでいく。
そして、完全に視界が黒に染まった。
十本の線にも見えるそれはどこか影絵にも似ている。
幼いころ、二人でよく遊んだ影絵。
蝶々、蟹、兎。
ふいに思い出し、懐かしさに笑みがこぼれる。
だらしなく赤い舌を出している口や、見開かれた瞳をそっと閉じてやる。
体を清め、衣服を整え、布団に寝かせた。
枕元に座り、長い黒髪に指を通して弄ぶ。
さらさらと零れ落ちていくそれはとても美しく、愛おしかった。
ふいに扉の開く音がし、聞きなれた声がした。
声の主は部屋に入りこちらを一瞥した後、布団の上の恋人へと目を向けた。
ひゅうと空気の吸い込まれる音がした。
彼は、恋人の弟だ。
彼は、布団へ駆け寄ると恋人の名を呼びながら嗚咽を零す。
私はただただそれを見ながら笑うでもなく、泣くでもなく座っていた。
ふいに恋人の弟はこちらに掴みかかってきた。
この人殺し!
そう叫び、私を殴り倒す。
何度も何度も拳が振り下ろされ、私の意識は霞んでいく。
そして、完全に視界が黒に染まった。
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